葛根は東アジアの温帯に広く分布する多年生のつる植物であり、和名は「クズ」です。
葛根は根に多くのでんぷんやフラボノイド、イソフラボン誘導体などの有効成分を含んでいます。
葛根は伝統的に、風邪や咳などの症状を治療するために使用されてきました。
また、葛根には熱を取る効果もあり、首や肩のこわばりを改善するとされています。
葛根は、様々な形で利用されていますね。
葛湯(くずゆ)と呼ばれる、葛根を主成分とした飲み物や、葛根粉末を加えた料理があります。
葛湯(くずゆ)とは、葛粉から作ったとろみのある飲み物です。
通常、葛粉を水で溶いて砂糖を加え、鍋等で緩やかに加熱しながら透明になるまで練って作ります。
とろみがあるために冷めにくく、体が温まり、消化にも良いため、昔から離乳食・流動食・介護食・病み上がりの食べ物として食べられてきました。
また、葛根は食品や化粧品、医薬品などの原料としても利用されています。
葛根は甘くて辛く、性質は涼やかです。
これは、葛根に含まれる有効成分によるもので、体内の熱を冷まし、体を清涼に保つ効果があるとされています。
そのほか、血流改善・ホルモンバランスの調整など幅広い効果があります。
葛根の薬膳データ
- 体質:湿熱(陽熱)・陰虚
- 五性:涼
- 五味:甘・辛
- 帰経:脾・胃
データの項目の見方
薬膳の観点からの区別とその食材に合う体質が分かります。
五味(ごみ)
薬膳における五味とは、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5つの味のことです。
五味はそれぞれに対応する臓腑があり、その臓器に吸収されやすいといわれています。
- 酸味 – 肝 – 胆
- 苦味 – 心 – 小腸
- 甘味 – 脾 – 胃
- 辛味 – 肺 – 大腸
- 鹹味 – 腎 – 膀胱
五性(ごせい)
薬膳における五性とは、食材や生薬がもつ体を温めたり冷やしたりする性質のことです。
寒 / 涼 / 平 / 温 / 熱 があり、寒・涼の食材は体を冷やし、温・熱は体を温めます。
平は体を温めたり冷やしたりする性質のどちらもありません。
帰経(きけい)
薬膳における帰経とは、食材や生薬がどの臓腑・経絡に入り効果的に働くかを示した道しるべです。
臓腑や経絡、精神に影響を与えるといわれています。
個々の体質に合う帰経の食材を取り入れることで、体を良い状態に近づけられると考えられています。
体質(体質)
体質は、気滞体質 / 気虚体質 / 瘀血(血瘀)体質 / 血虚体質 / 痰湿体質 / 陰虚体質 / 湿熱体質 / 陽虚体質の8つに分かれ、それぞれの体質によっておすすめの食材や養生法が異なってきます。
その時の体質に合った食材・生薬を摂ることで体を良い状態に近づけられると考えられています。
葛根とおすすめの食べ合わせ食材
葛(くず)は、日本の伝統的な食材の一つであり、健康に良い効果があることから、最近注目されています。
以下では、葛の特徴について詳しく説明していきます。
主要な成分は、大豆の成分としても有名なダイジン、ダイゼインなどのイソフラボンです。
- 美肌効果:
葛には、美肌効果があります。
これは、葛の根から抽出される成分であるイソフラボンが、肌の保湿力を高め、シワやたるみを予防する効果があるためです。
- 女性ホルモンバランスの改善:
葛の花にはイソフラボンが多く含まれています。
イソフラボンとは大豆胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きを持つ成分です。女性ホルモンバランスを整える効果があります。
エストロゲンには女性に月経をもたらし、女性らしい体つきや美しい肌をつくる働きがあります。
また、エストロゲンには、カルシウムが骨から過剰に溶け出すことを防ぐ働きがあり、骨粗しょう症の予防に気滞が出来ます。
プエラリア・ミリフィカというマメ科のクズ(葛)と同属の植物の貯蔵根が原材料として配合された、バストアップやスタイルアップ等の美容を目的とした健康食品が販売されています。
プエラリア・ミリフィカによる危害情報が、全国の消費生活センターなどに2012年度から2017年4月までの5年間あまりで209件寄せられています。
日本医師会からも注意喚起がされています。
様々な商品の中で、一日最大摂取量目安当たりの、デオキシミロエストロール、ミロエストロールの量は商品ごとで10倍以上の大きなばらつきが見られたようです。
プエラリアミリフィカは、タイやミャンマーなどの東南アジアに生息・栽培されているマメ科の植物です。
プエラリアの他にもバストアップに効果のあるとされる食材やサプリはたくさんありますが、プエラリアはその中でもとりわけ強力な作用があります。
そのためプエラリアのバストアップ効果はとても期待できるものではありますが、副作用も出やすいというのがプエラリアのデメリットです。
- 血流を改善する効果
葛の花に多く含まれるサポニンには血液中のコレステロールや脂質を運んで血流を改善する効果があります。
- 肝機能を高める効果
葛の花は昔から生薬として肝臓によいとされてきました。
葛の花を煎じて服用すれば、二日酔いによい効果があるとされていました。
近年の研究で、葛の花の摂取によって肝機能の指標になるGOT、GPTの値を改善するほか、葛に含まれている成分である「ダイジン」がアルコール依存症の予防にも役立つという研究も報告されています。
以上が、葛の主な特徴です。
葛は料理にも使われる食材であり、葛湯や葛餅など、和菓子や飲み物としても親しまれています。
ただし、葛を摂取する場合は、適切な用量や食べ方に注意しましょう。
みかん・しょうが(風邪予防に)
みかんとしょうががからだを温めてくれて、葛が風邪の邪気を追い払ってくれます。
りんご(熱があるときに)
葛とりんごはどちらもからだの熱を取り去ってくれる働きがあるので、葛とりんごを一緒に取ることで相乗作用が期待できます。
水で溶いた葛粉を温め、りんごをすりおろして一緒にとると良いです。
また、風邪のひきはじめで寒気がするときは、シナモンを加えると発汗作用が増し、風邪をこじらせにくくなります。
葛根を使ったおすすめレシピ
おすすめレシピは ”COOKPAD(クックパッド)” から引用しています!
葛根の保存方法
開封前は常温での保存が可能。
湿気に弱いので開封後は気密容器にいれて保存してください。
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