山査子は強烈な酸味のある小さな赤い実です。
山査子は果実として食用にされるほか、漢方薬としても用いられます。
果実には、ビタミンCやカルシウム、鉄分などが含まれていて、健康に良いとされています。
欧米では心臓の働きを助け、血液循環を改善するハーブとして利用されることもあります。
漢方薬としては、山査子は胃腸を温め、消化力を高める作用が期待されています。
また、胃酸の分泌を促進し、食欲不振や吐き気、下痢などの症状を改善することができます。
これらの効果から、山査子は古くから胃腸の弱さを改善するために使われてきました。
山査子の薬膳データ
- 体質:瘀血
- 五性:温
- 五味:酸・甘
- 帰経:脾・胃・肝
データの項目の見方
薬膳の観点からの区別とその食材に合う体質が分かります。
五味(ごみ)
薬膳における五味とは、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5つの味のことです。
五味はそれぞれに対応する臓腑があり、その臓器に吸収されやすいといわれています。
- 酸味 – 肝 – 胆
- 苦味 – 心 – 小腸
- 甘味 – 脾 – 胃
- 辛味 – 肺 – 大腸
- 鹹味 – 腎 – 膀胱
五性(ごせい)
薬膳における五性とは、食材や生薬がもつ体を温めたり冷やしたりする性質のことです。
寒 / 涼 / 平 / 温 / 熱 があり、寒・涼の食材は体を冷やし、温・熱は体を温めます。
平は体を温めたり冷やしたりする性質のどちらもありません。
帰経(きけい)
薬膳における帰経とは、食材や生薬がどの臓腑・経絡に入り効果的に働くかを示した道しるべです。
臓腑や経絡、精神に影響を与えるといわれています。
個々の体質に合う帰経の食材を取り入れることで、体を良い状態に近づけられると考えられています。
体質(体質)
体質は、気滞体質 / 気虚体質 / 瘀血(血瘀)体質 / 血虚体質 / 痰湿体質 / 陰虚体質 / 湿熱体質 / 陽虚体質の8つに分かれ、それぞれの体質によっておすすめの食材や養生法が異なってきます。
その時の体質に合った食材・生薬を摂ることで体を良い状態に近づけられると考えられています。
山査子のおすすめの食べ合わせ
山査子は、加工品としては、ジャムやジュース、お菓子の材料としても使われます。
また、韓国ではキムチの材料としても知られています。
キムチは、韓国を代表する発酵食品の一つで、キャベツや大根、ニンジンなどの野菜に、唐辛子やにんにく、生姜、魚醤などの調味料を加えて発酵させたものです。
山査子も、この調味料の一つとして使われます。
山査子は、キムチに加えることで、酸味と渋味を与え、風味を豊かにする効果があります。
そのほか、山査子は韓国ではお茶としても親しまれており、山査子茶(さんざしちゃ)は韓国語でアガウィチャ(아가위차)といいサンザシの実を煎じて抽出した飲み物です。
酸味が強いため、飲用する時は温めてハチミツを入れるなどして飲むとよいです。
陳皮(消化不良のとき)
胃の気を巡らせる陳皮と消化を促がす作用がある山査子を合わせることで、胃が弱く、すぐに胃もたれしてしまう人におすすめです。
山査子と陳皮にお湯を注ぐだけで飲み物としても良いですが、酸味が強くて飲みづらい場合ははちみつや氷砂糖を加えてもOK。
陳皮には、消化不良、胃腸の不調、咳、痰、風邪などの症状を改善する効果があります。
また、陳皮に含まれる成分には、抗酸化作用や抗炎症作用があるとされています。
陳皮は、主に中華料理のスープや煮物、茶、またはそのまま噛んで食べることがあります。
また、陳皮を刻んで紅茶と一緒に入れることで、風味豊かな陳皮紅茶を作ることもできます。
緑豆もやし(血液をサラサラに)
中医学では熱がこもると血液がドロドロになると考えられています。
そのために、熱を取ってくれる緑豆もやしと血液の流れをよくする山査子を合わせることで血栓の予防に役立つとされています。
緑豆もやしは、発芽することで栄養価が向上し、タンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれます。
また、低カロリーで、食物繊維も豊富なため、ダイエットや健康に良いとされています。
もやしは ”野菜の王様” と呼ばれることもあるのですが、その理由は、その発芽パワーにあります。
大豆もやしの場合、種子の状態ではほとんど含まれていないビタミンCが、発芽後にはなんと5倍に増加するのです!
また、ビタミンB2も3倍に増加します。
アミノ酸の一種である「アスパラギン酸」が、発芽に伴って生成されることが科学的に証明されています。
山査子の注意ポイント
山査子には子宮の収縮作用があるため、
妊娠中は避けるようにしましょう。
山査子のおすすめレシピ
おすすめレシピは ”COOKPAD(クックパッド)” から引用しています!
山査子の保存方法
ドライフルーツ・粉末状のどちらの場合も高温多湿を避けるようにしましょう。
常温での保存も可能ですが、開封後は冷蔵庫での保存がおすすめです。
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