「棗(なつめ)」は南ヨーロッパ及び西方アジア(あるいは中国北部)を原産とするクロウメモドキ科の落葉樹です。
果皮は赤褐色で硬く、果肉はやや粘り気があり、甘みが強く、種が1つ入っています。
和菓子の材料や、漢方薬の原料としても利用されています。
また、乾燥させたものを干し柿の代用品として使うこともあります。
ナツメの実には、ビタミンCやポリフェノールなどの栄養素が含まれているため、健康にも良いとされています。
生薬として使用する場合は「大棗(たいそう)」と呼ばれています。
漢方の考え方では、大棗は「補中益気」、「和中扶正」、「養血安神」の作用を持つとされています。
具体的には、以下のような漢方効能があります。
- 補中益気:
大棗は脾胃を補う作用があり、消化吸収機能を整え、体力や免疫力を向上させます。
- 和中扶正:
大棗は胃腸を和らげ、消化器の機能を正常化する作用があります。
また、胃腸を強化することで、食欲増進、胃腸炎や胃潰瘍の予防にも役立ちます。
- 養血安神:
大棗には栄養価が高く、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
これにより、貧血や神経衰弱などの症状を改善し、体力の回復を促します。
- 経絡補益:
大棗は、特に脾経と胃経に効果があるとされています。
脾経は消化吸収を担当し、胃経は食べ物の消化を促すため、これらを補強することで、健康維持に役立ちます。
なつめの薬膳データ
- 体質:気虚・血虚
- 五性:温
- 五味:甘
- 帰経:脾・胃
データの項目の見方
薬膳の観点からの区別とその食材に合う体質が分かります。
五味(ごみ)
薬膳における五味とは、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5つの味のことです。
五味はそれぞれに対応する臓腑があり、その臓器に吸収されやすいといわれています。
- 酸味 – 肝 – 胆
- 苦味 – 心 – 小腸
- 甘味 – 脾 – 胃
- 辛味 – 肺 – 大腸
- 鹹味 – 腎 – 膀胱
五性(ごせい)
薬膳における五性とは、食材や生薬がもつ体を温めたり冷やしたりする性質のことです。
寒 / 涼 / 平 / 温 / 熱 があり、寒・涼の食材は体を冷やし、温・熱は体を温めます。
平は体を温めたり冷やしたりする性質のどちらもありません。
帰経(きけい)
薬膳における帰経とは、食材や生薬がどの臓腑・経絡に入り効果的に働くかを示した道しるべです。
臓腑や経絡、精神に影響を与えるといわれています。
個々の体質に合う帰経の食材を取り入れることで、体を良い状態に近づけられると考えられています。
体質(体質)
体質は、気滞体質 / 気虚体質 / 瘀血(血瘀)体質 / 血虚体質 / 痰湿体質 / 陰虚体質 / 湿熱体質 / 陽虚体質の8つに分かれ、それぞれの体質によっておすすめの食材や養生法が異なってきます。
その時の体質に合った食材・生薬を摂ることで体を良い状態に近づけられると考えられています。
なつめとおすすめの食べ合わせ食材
なつめは鉄分やカルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、葉酸やナイアシンなどのビタミンB群、食物繊維などが豊富で、栄養価が高い食材です。
女性の元気の源である鉄分が豊富で、鉄分の含有量は、プルーンの1.5倍以上!
最新の研究では、”うつ状態に至る要因の一つ” として鉄が不足しているということが明らかになっています。
では、なぜ鉄分不足がうつの症状に繋がってしまうのでしょうか?
実は、快感情や意欲に関係する脳の伝達物質であるドーパミンの生成には鉄分が必要なのです。
また、なつめには妊活に必須の成分の代表であり、新陳代謝のビタミンである「葉酸」が豊富です!
葉酸は妊娠前から産後の期間にしっかりと摂取することが重要だと言われ、近年は妊活女性が摂取すべき栄養素として認知されています。
米(胃の調子が悪いとき)
元来、胃が弱かったり、疲労がたまり胃の働きが低下している場合は、鶏がらスープで米となつめを炊き込んでお粥にして食べることをおすすめします。
鶏肉(滋養強壮に)
気を補う食材で作る煮物は滋養強壮に最適です。
気を巡らせて胃の働きを助ける陳皮を加えることで食欲も増進します。
鶏肉には様々なメリットがあります。
以下に代表的なメリットをいくつか紹介します。
- タンパク質源としてのメリット:
鶏肉はタンパク質が豊富で、筋肉や骨、皮膚などの細胞をつくるのに必要なアミノ酸を含んでいます。
タンパク質は身体をつくるための重要な栄養素であり、筋肉量を維持するためにも必要です。
- 脂質のバランスを改善するメリット:
鶏肉は赤身に比べて脂質の含有量が低く、不飽和脂肪酸の割合が高いため、コレステロール値を下げることができます。
また、心血管疾患のリスクを減らす効果も期待できます。
- 健康的なダイエットに向いているメリット:
鶏肉は低カロリーであり、さまざまな料理に使いやすいため、健康的なダイエットに向いています。
タンパク質の含有量が豊富なため、食事から満腹感を得やすく、過剰な食欲を抑えることができます。
- 栄養バランスの良さ:
鶏肉は、ビタミンB群、鉄分、亜鉛・イミダペプチドなどの栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素は、身体の健康維持に欠かせないものであり、栄養バランスの良い食事に欠かせないものです。
イミダペプチドは疲労回復にも効果的!
体の疲れを癒し、元気な状態に戻してくれます!
イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)とは、不眠不休で何千キロも飛び続けられる渡り鳥の秘密から有用性が確認された疲労感軽減成分です。
イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)は体内に吸収された後、2種類のアミノ酸に分解された状態で体内を巡り、必要な場所で再合成され”ピンポイント”で疲労感に対抗できる特別な働きがあります。
体の最も酷使する部分に豊富に存在し、ヘトヘトにならないよう助ける働きをもっています。
グレープフルーツ(不眠改善に)
なつめの血を補う作用に、グレープフルーツの気を巡らせる作用で健やかな眠りに導いてくれます。
グレープフルーツには、以下のような効能があります。
- ビタミンCの補給:
グレープフルーツには、ビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、免疫力の向上や美肌効果などに役立ちます。
- 胃腸の働きの促進:
グレープフルーツに含まれるクエン酸は、胃腸の働きを促進し、消化不良や便秘などの症状を改善する効果があります。
- 脂肪燃焼効果:
グレープフルーツには、脂肪を分解する酵素を活性化させる成分が含まれています。
そのため、ダイエット効果が期待できます。
ただし、グレープフルーツには医薬品との相互作用があるため、特に降圧剤や抗がん剤、抗うつ剤などを服用している人は、医師に相談した上で摂取するようにしましょう。
また、グレープフルーツには、柚子などと同様に、紫外線過敏症を引き起こす成分である光毒性物質の「ソラレン」が含まれているため、摂取後に日焼け止めを使用するなど、紫外線対策にも注意が必要です。
ソラレンを含む食材を食べてから紫外線を浴びると、普段よりも強く紫外線に反応するようになり、肌に強いダメージが加わってしまいます。
なつめの注意ポイント!
なつめとねぎ・魚を一緒に食べると腹痛や腰痛を起こすことがあると言われています。
肥満傾向・糖尿病の人はなつめの補血作用に加えて糖分も多めなので食べ過ぎに注意しましょう!
なつめを使ったおすすめレシピ
おすすめレシピは ”COOKPAD(クックパッド)” から引用しています!
なつめの保存方法
高温多湿、直射日光を避けて保存してください。
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