「杜仲茶って、結局どんなお茶?」
「血圧やむくみが気になるときに飲んでもいい?」
「漢方の杜仲と、スーパーなどで売られている杜仲茶は同じもの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
杜仲(とちゅう)は、中国で古くから利用されてきた植物です。
日本では葉をお茶として取り入れることも多く、毎日の食生活になじみやすい素材のひとつです。
ただし、ここで最初に知っておきたい大切なポイントがあります。
漢方・生薬として使われる「杜仲」と、食品として飲む「杜仲葉茶」は、同じ植物でも使用する部位が異なります。
この記事では、薬剤師・中医薬膳師の視点から、杜仲茶の特徴、成分、中医学的な考え方、飲み方、注意点まで分かりやすく解説します。
- 杜仲茶には主に「杜仲の葉」が使われます。
- 日本薬局方の生薬「杜仲」は「樹皮」であり、杜仲葉茶とは区別して考える必要があります。
- 杜仲葉にはゲニポシド酸などが含まれ、研究が行われています。
- ただし、一般の杜仲茶すべてに特定の治療効果があるとは言えません。
- 中医学では杜仲を「肝・腎」と関連づけて考え、足腰や加齢、冷えなどを考える際のヒントにします。
- 体質に合わせて選ぶことが、薬膳茶を無理なく続けるポイントです。
杜仲茶とは?まず知っておきたい「葉」と「樹皮」の違い
杜仲は、学名を Eucommia ulmoides といい、トチュウ科に属する植物です。
日本では「杜仲茶」という名前でよく知られています。
ここで注意したいのが、植物のどの部分を使うかです。
杜仲茶に使われるのは主に「葉」
私たちが日常的に飲む杜仲茶には、一般的に杜仲の葉が使用されています。
厚生労働省が示す食薬区分でも、杜仲の「葉」は食品として利用できる部位として整理されています。
漢方・生薬の「杜仲」は樹皮
一方、日本薬局方に収載されている生薬「杜仲」は、杜仲の樹皮です。
つまり、薬膳茶として飲む「杜仲葉」と、生薬として使われる「杜仲」は、同じ植物でも同一ではありません。
「漢方で杜仲がこのように使われるから、杜仲葉茶にもまったく同じ作用がある」と単純に置き換えることはできません。
伝統的な考え方と、食品としての杜仲葉に関する現代研究を分けて理解することが大切です。
杜仲茶にはどんな成分が含まれている?
杜仲葉にはさまざまな植物成分が含まれており、そのひとつとして知られているのがゲニポシド酸です。
このほかにもイリドイド類やポリフェノールなどについて研究されています。
ゲニポシド酸と血圧の研究について
杜仲葉由来のゲニポシド酸は、日本では血圧に関する特定保健用食品の関与成分として利用されてきた実績があります。
そのため、「杜仲=血圧」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
ただし、ここには重要な注意点があります。
国から表示を許可された特定保健用食品は、商品ごとに有効性や安全性などの審査を受けています。
したがって、市販されているすべての杜仲茶に同じ量のゲニポシド酸が含まれ、同じ働きが期待できるという意味ではありません。
健康食品の記事では、ある成分の研究結果が、そのまま全商品に当てはまるように紹介されることがあります。
実際には、品種、使用部位、加工法、抽出法、摂取量などによって条件が異なります。
杜仲茶は、薬の代わりとしてではなく、毎日の食生活を整えるひとつの選択肢として取り入れるのがおすすめです。
中医学では杜仲をどう考える?「肝」と「腎」がキーワード
中医学でいう生薬の「杜仲」は、伝統的には甘・温の性質を持ち、肝・腎に関係する素材として考えられてきました。
ここでいう「肝」「腎」は、西洋医学の肝臓や腎臓そのものだけを意味する言葉ではありません。
中医学では、からだの働きをより広いシステムとして捉えます。
「腎」=年齢とともに変化する生命力の土台
中医学の「腎」は、成長、加齢、生殖、骨、耳、足腰などと関係すると考えます。
年齢とともに足腰がだるくなったり、冷えや夜間のトイレが気になったりするときは、「腎」の不足をひとつの体質パターンとして考えることがあります。
「肝」=巡りや筋のしなやかさを支える存在
中医学の「肝」は、気や血の巡りを調節し、筋や腱の働きとも関連すると考えます。
ストレスが多い、体がこわばりやすい、巡りが悪い感じがするといった状態では、「肝」の働きも一緒に考えていきます。
杜仲という素材だけを見て「誰にでもおすすめ」と判断するのではありません。
まず「冷えているのか、熱がこもっているのか」「不足しているのか、滞っているのか」を確認し、その人の証(しょう=体質パターン)を組み立てます。
そのうえで、食事・睡眠・運動・薬膳茶などを組み合わせていくのが中医学の基本です。
あなたはどのタイプ?杜仲茶を選ぶ前の簡単体質チェック
同じ「疲れ」や「むくみ」でも、背景となる体質は人によって違います。
杜仲茶を取り入れるときも、自分の状態を簡単に確認してみましょう。
陽虚(ようきょ)=体を温める力が不足したタイプです。
- 手足が冷えやすい
- 寒がり
- 疲れやすい
- 足腰がだるい
- むくみやすい
- 夜間のトイレが気になる
痰湿(たんしつ)=余分な水分や重だるさがたまりやすいタイプです。
- 体が重い
- むくみやすい
- 胃がもたれやすい
- 舌の苔が厚い
- 甘い飲み物が多い
陰虚(いんきょ)=体を潤し、熱を冷ます力が不足したタイプです。
- 口や喉が乾く
- 夕方からほてる
- 寝汗をかく
- 手足の裏が熱い
- 肌や粘膜が乾燥しやすい
特にほてりや寝汗、強い口渇がある場合は、「温めればよい」と単純に考えないことが大切です。
自分の体質が分からない場合は、まず体質チェックから始めてみてください。
ほどよい堂では、気虚・気滞・血虚・瘀血・陰虚・痰湿・陽虚・湿熱の8タイプから、今の傾向を確認できる体質セルフチェックをご用意しています。
無料の体質セルフチェックをしてみる杜仲茶は「何かを治すお茶」より、毎日の飲み物として考える
健康づくりで大切なのは、「このお茶を飲めば全部解決する」という考え方ではありません。
体は、食事、睡眠、運動、ストレス、腸内環境など、さまざまな要素の影響を受けながら常に入れ替わっています。
ほどよい堂では、養生を「栄養・循環・吸収」の3本柱で考えています。
| ほどよい堂の3本柱 | 考え方 | 今日からできること |
|---|---|---|
| ① 栄養 | 細胞をつくる材料をしっかり入れる。 | 魚・卵・豆類・野菜・海藻・きのこなどを偏らず食べる。 |
| ② 循環 | 食べた栄養や酸素を全身へ届ける。 | 歩く、深呼吸する、長時間同じ姿勢を避ける。 |
| ③ 吸収=腸活 | 食べるだけでなく、受け取れる胃腸を育てる。 | よく噛み、発酵食品・食物繊維・味噌汁などを日常化する。 |
「よく噛む」だけでも脾を助ける第一歩
中医学では、胃腸の消化吸収を「脾(ひ)」の働きとして考えます。
脾は五行では「土」です。
土が整うことで、食べたものから気・血・津液をつくり、全身へ巡らせやすくなると考えます。
まずは一口30回をひとつの目安にしてみましょう。
よく噛むことは、食べ物を細かくするだけでなく、消化のスイッチを入れるシンプルな腸活でもあります。
杜仲茶を飲みながら、毎日の味噌汁、海藻、きのこ、豆類、発酵性食物繊維なども一緒に意識すると、養生全体のバランスが取りやすくなります。
杜仲茶のおいしい飲み方
杜仲茶は、香ばしくすっきりした味わいの商品が多く、食事と一緒にも取り入れやすいお茶です。
商品によって葉の量や焙煎方法、抽出方法が異なるため、まずはパッケージに記載された淹れ方を基本にしてください。
基本は温かいお茶でゆっくり
特に冷えが気になる人は、冷たい飲み物を一気に飲むより、温かいお茶を少しずつ飲む方法が取り入れやすいでしょう。
温かい飲み物を飲む時間そのものを、スマートフォンや仕事から少し離れる「休養の時間」にするのもおすすめです。
甘い飲み物からの置き換えにも
ジュースや加糖コーヒー、甘い清涼飲料水を毎日飲んでいる方は、まず1本だけ無糖のお茶へ変えてみるのも方法です。
完全禁止にするより、「昼の1本を杜仲茶や水にする」など、続けられるルールを決めるほうが習慣化しやすくなります。
アレンジするならシンプルに
- レモンを少量加えて爽やかに。
- しょうがを少量加えて、寒い季節の温かい飲み物に。
- 食事中のお茶として取り入れる。
- 濃さを調節して自分が続けやすい味にする。
甘味を加える場合も、毎回たっぷり入れるのではなく、量や頻度を決めて楽しむのがおすすめです。
冷え・足腰のだるさが気になるなら「陽虚」という見方も
「いつも手足が冷たい」
「以前より疲れやすい」
「足腰が重だるい」
「夜中にトイレへ起きることが増えた」
このような傾向が重なる場合、中医学では陽虚(ようきょ=温める力が不足したタイプ)として考えることがあります。
ほどよい堂の「陽虚茶」は、杜仲葉・よもぎ・桂枝を組み合わせた体質別薬膳茶です。
杜仲だけを単独で考えるのではなく、「温める」「巡らせる」という方向から日々のティータイムを組み立てたい方の選択肢です。
「自分は陽虚タイプかも」と感じた方は、杜仲葉を配合した「陽虚茶」の内容をご覧いただけます。
食品として毎日の養生に取り入れる薬膳茶です。
体質が一つに決められない人は、杜仲だけにこだわらなくて大丈夫
実際の健康相談では、「陽虚だけ」「気虚だけ」のように一種類の体質だけを持つ方ばかりではありません。
たとえば、冷えと疲れがある人でも、胃腸が弱い「脾気虚」が重なっていたり、ストレスによる「気滞」が加わっていたり、年齢とともに「腎虚」が目立っていたりします。
そのため、「杜仲が健康に良さそうだから杜仲だけをたくさん摂る」というより、自分の体質全体から考えることをおすすめします。
ほどよい堂では、体質診断をもとに素材を組み合わせるオーダーメイド薬膳茶もご用意しています。
冷え、疲れ、むくみ、眠り、ストレスなど、複数の悩みが重なっている方はこちらが選びやすい方法です。
「3日・3週間・3ヶ月」で考える、ほどよい養生
体は毎日少しずつ入れ替わっています。
健康習慣は、1日で結果を判断するより、時間軸を持って振り返ることが大切です。
温かいお茶に置き換える、よく噛む、味噌汁をつけるなど、できることをひとつ始めます。
胃腸の負担、便通、冷え、睡眠などを観察してみましょう。
「無理なく続けられるか」を確認します。
完璧を目指すより、できる日を増やしていきましょう。
食事、運動、休養、腸内環境を含めて全体を振り返ります。
お茶だけでなく、生活そのものが少し整っているかを確認することがポイントです。
杜仲茶を飲むときの注意点
杜仲茶は食品として利用されていますが、「自然のものだから誰がどれだけ飲んでも大丈夫」と考えるのはおすすめできません。
- 治療中の病気がある方。
- 血圧などの薬を服用している方。
- 妊娠中・授乳中の方。
- 複数のサプリメントや健康食品を使用している方。
- 植物や食品にアレルギーがある方。
- 体調が大きく変化している方。
特に血圧が高い場合、杜仲茶だけで対処しようとせず、医療機関で適切な評価を受けることが大切です。
処方薬を自己判断で減量・中止することも避けてください。
また、飲み始めて体調に合わないと感じた場合は、無理に続けず中止してください。
杜仲茶についてよくある質問
高血圧の治療の代わりとして杜仲茶を使用することはおすすめできません。
日本薬局方の生薬「杜仲」は樹皮で、杜仲茶には主に葉が使われます。
そのため、まったく同じものとして扱うことはできません。
「たくさん飲むほど良い」というものではありません。
水や食事も含め、偏らないことが大切です。
杜仲だけで判断せず、ほかの症状も合わせて体質を考えることをおすすめします。
一方、冷え、疲れ、むくみ、ストレスなど複数の体質傾向を考えたい場合は、複数素材を組み合わせた体質別薬膳茶やオーダーメイド薬膳茶が選択肢になります。
まとめ|杜仲茶は「毎日の養生」のひとつとして取り入れよう
杜仲茶は、杜仲の葉を利用した、日常生活へ取り入れやすいお茶です。
杜仲葉に含まれるゲニポシド酸などについて研究されていますが、食品としての杜仲茶を薬のように考えないことが大切です。
中医学では、生薬の杜仲は肝・腎と関係する素材として古くから利用されてきました。
特に冷えや足腰のだるさ、年齢に伴う変化が気になる場合は、「腎」や「陽虚」という視点から自分の体質を見直すきっかけになります。
そして、体を整えるのはひとつの食品だけではありません。
栄養を入れる。
巡らせる。
胃腸で受け取る。
この3つを一緒に整えることが、ほどよい堂が大切にしている養生です。
まずは今日の一杯を、甘い飲み物から温かい無糖のお茶に変える。
そんな小さなところから始めてみてください。
ほどよい堂では、薬剤師・中医薬膳師・薬膳素材専門士の視点から、体質別薬膳茶、オーダーメイド薬膳茶、腸活アイテムなどを取り扱っています。
「何を選べばいいか分からない」という方は、体質を知るところから始めてみてください。



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