”病院で処方せんをもらったら、調剤薬局に処方せんをそのまま出すだけ!”
お薬の内容は自分が決められるわけでもなく、”なるがまま・なされるがまま” が一般的な患者さんのパターンですよね。

現役薬剤師が医療費を少しでも軽くできるようにアドバイスをしてみようと思います!
”調剤薬局節約術” という感じですね!

そもそも、調剤薬局での『お薬代』ってどのように計算しているの?


いい質問だね!
ドラッグストアなどで普通の買い物をするときは、商品そのものに価格が決まっていて「価格×個数」の合計が支払い額になると思います。
とても単純明解でわかりやすいよね。

ところが、調剤薬局でのお薬代は、そんなに単純ではないのです。
こと細かに調剤基本料や薬剤調製料、地域支援体制加算など「○○料」「○○加算」といって、いわゆる『手数料』のようなものが色々とかかっているのです。
これらの点数は『調剤診療報酬点数表』を基に計算されてます。
ただし、お薬そのものの価格は『薬価』と言うのですが、全国共通でどこの調剤薬局でも「同じ」なのです。

なんだか、複雑で難しそう…。

そうなのです…。
だから結局、患者さんは明細書をみても???で、そのままゴミ箱にポイになってしまいますよね。


じゃあ、どうしたら『お薬代』の内容が理解できるの?

おおっ!核心をついてきたね!
結局のところ『調剤診療報酬点数表』に示されている点数の内容を勉強して理解するしかありません…。
通常、薬剤師は「お薬の効果」や「飲み方・使い方」「副作用」「健康状態」などの説明はすると思いますが、『お薬代』の内容について詳しい説明をしてくれることはほとんどないですよね。

そう言われれば…。
説明してもらったことは一度もないかも…。

その理由は個人的な感想ですが、次のようなことだと思います。
- 薬剤師は細かい業務がたくさんあるため、忙しくてそこまで時間がかけられない。
- 「○○料」が細かく規定されているので、説明するのが大変であり、説明しても患者さんもすぐには理解するのが難しいこと。
- 「○○料」といわれる手数料が調剤薬局の収益元(利益)であるために、自ら収益を減らすような助言はしたくない・出来ないということ。

お薬代の内容を理解するにはハードル高そうだね…。
でもお薬代を安くする方法はあるんだよね!


そうなのですが…。
『お薬代を安くできる方法』を患者さんにアドバイスすると大抵の経営者は苦虫を咬んだ様な顔をします…。
わざわざ時間をかけて薬局の利益を減らすとは…という感じですね。
利益第一主義の経営者なんかは、どれだけ『○○料』を多く取ることが出来るかばかり考えていますしね。

ええええ…そうなの~。
色々と大人の事情もあるんだね。

こんな調剤薬局は利益第一主義の可能性が高いかもって思う「調剤薬局あるある」を個人的主観で列挙してみますね。
- 『かかりつけ薬剤師』の登録を何度も執拗に勧めてくる。⇒かかりつけ薬剤師指導料(760円)が取れるため
- いかにも親切・無料サービスであるかのような感じで、だれにでも『1包化』を勧めてくる。その際は手数料が発生することの説明はしない。⇒外来服薬支援料が取れるため
- 『2種類以上の粉薬』が処方されている際に、だれにでも、いかにも親切・無料サービスであるかのような感じで『一つの袋にまとめる』よう勧めてくる。⇒計量混合調剤加算が取れるため
- 『お薬手帳』の提出を求めてこない。⇒おくすり手帳が無い場合の方が薬剤服用歴管理指導料が高く取れるため


一度、信頼できる話しやすそうな薬剤師さんに、患者さんの方から『この処方箋で何か安くできる方法はありますか?』って尋ねてみるといいかもしれません。
『問答無用!』で相手にされなかったり、はぐらかされたりしたら、○○な薬局だと思ってください。

お薬を減らしてもらう際にも『お薬代を安くするコツ』がありますので、アドバイスしていきますね。
お薬を減らす際の方法で支払額が変わる場合があります!残薬調整する際のポイント!
薬剤師として勤務していてよく遭遇する便秘薬である『酸化マグネシウム』の場合を例に挙げてみます。
この「酸化マグネシウム」という便秘薬は、便を軟らかくすることを目的に処方されます。飲み方は1日1~3回、1回1~2錠という場合が多いです。
便の硬さに合わせて、調節しながら服用するお薬ですので、お薬が余ってくることもありますよね。それで余ってきたので減らして欲しいと話したと仮定します。
パターン1【調剤料が2倍になるのを避ける場合】
A錠・B錠・酸化マグネシウム錠を1日3回飲んでいる場合に医師に疑義照会して、酸化マグネシウムが1日2回に減らすことになったとします。

患者さんが酸化マグネシウムが余ってきたとのことです。


それじゃ、1日3回のところを1日2回にしてください。
『調剤料』は「飲み方」ごとに発生するので、減らす前では調剤料は1通り分だけ『調剤料×1』発生していました。
減らした後では、1日3回と1日2回の2通りになったので、調剤料は2通り分になり『調剤料×2』となり、調剤料という手数料が、2倍発生してしまいます。
そこで、ポイントなのがこの場合は、1日の量を減らしてもらうよりも、日数を減らしてもらう方が、同じ錠数をもらった場合はお薬の支払額は安くなります。
酸化マグネシウム錠は1錠が数円ととても安いお薬なので、この方の場合は、お薬を減らしたのに今までよりも支払額が高くなってしまうような逆転現象がおこります。
いつもより、もらって帰るお薬は減ったのに、いつもよりお薬代が高かったなんてことを経験した方もいらっしゃると思いますが、実はこういう理由だったのです。
パターン2【重複投与・相互作用等防止加算を避ける場合】
調剤薬局に処方せんを持って来て、薬剤師に「酸化マグネシウムが余っているので減らしてもらえませんか?」と話した場合と仮定します。

お薬が余ってきたので、今回は少なめに出してもらえますか?

薬剤師は、ここで処方医にお薬が余っていることを伝え、医師からの指示を受けてからお薬の準備を始めます。
今回も同様に、A錠・B錠・酸化マグネシウム錠を1日3回飲んでいる場合ですが、A錠・B錠は最初の処方通りで、酸化マグネシウムだけ処方日数を減らしてもらうように薬剤師から処方医に疑義照会しました。
すると、今度は『重複投薬・相互作用等防止加算』が発生するため、最初に薬局に持参した処方内容でのお薬代より、減らした日数にもよりますが、減らした場合のお薬代の方が高くなってしまうという逆転現象が起こることもあります。
それでは、どうすれば良かったのかというと、ポイントは、薬局ではなく、処方医に直接余っている旨を伝えて処方日数を減らしてもらえば良かったということになります。

今回のポイントは次の通りでした!
- 服用法では無くて処方日数を減らした方が安くなった!
- 調剤薬局では無くて、診察時に直接医師に話した方が安くなった!
まとめ
お薬代の計算方法は一般の方には分かりにくく複雑です。
ただ、そんなこともあるんだということを知っていれば、調剤薬局でお薬をもらう際に薬剤師や医療事務員さんに質問したりアドバイスをもらうことが出来ます!
このブログ『のんびり太郎』では、医療費が生活する上で大きな負担になっている患者さんなどに有益になるように情報発信していきます!
カテゴリー『薬局で損しない方法』内で詳しく解説していきますので、良かったら目を通してみてくださいね!
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