- はじめに:犬の肥満細胞腫治療、現代医療、漢方の重要なポイント
- 1. 肥満細胞腫とは何か
- 2. 犬の肥満細胞腫治療における現代医療の選択肢
- 3. 肥満細胞腫の再発リスクと予防について
- 4. 漢方的な考え方が注目される理由
- 5. 犬の肥満細胞腫に使われる主な漢方薬
- 6. 漢方薬と現代医療の相乗効果:使い方と注意点
- 7. 腸活の重要性と肥満細胞腫:土王説とリーキガット症候群
- 8. 食事療法と薬膳的思考:愛犬の健康を守るために
- 9. 治療方針の立て方:弁証論治とカスタマイズ
- 10. まとめ:最適な治療とケアのために
- 11. よくある質問(FAQ)
- 参考文献と情報サイト
- 最後に
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はじめに:犬の肥満細胞腫治療、現代医療、漢方の重要なポイント

犬の皮膚や体の各部位に発生する腫瘍のうち、肥満細胞腫は特に注意を要する代表的ながんの一つです。
近年では、外科手術・放射線・化学療法(抗がん剤)だけでなく、分子標的薬や免疫療法、さらに「漢方薬」を含む東洋医学的なアプローチが注目されています。
本記事では、飼い主さんが理解しておきたい犬の肥満細胞腫治療に関する基本情報を中心に、現代医療の選択肢から漢方を使った補助療法までを詳しく解説します。
1万字を超える長文となりますが、できる限り分かりやすくまとめています。
大切な愛犬の健康を守るために、ぜひ最後まで目を通していただければ幸いです。
1. 肥満細胞腫とは何か

犬に多い悪性腫瘍の一種
肥満細胞腫(Mast Cell Tumor: MCT)は、犬に多く見られる悪性腫瘍の一つです。
皮膚や皮下組織に発生することが多く、全皮膚腫瘍の中で最も多い種類とされます。
肥満細胞(マスト細胞)とは、本来アレルギー反応などに関わる免疫細胞の一種ですが、何らかの原因で腫瘍化し、増殖して腫瘍として形成されるものが肥満細胞腫です。
見た目や症状
肥満細胞腫の見た目は多種多様です。小さなイボ状のものから、大きく崩れやすい潰瘍を伴う腫瘍まで様々。
かゆみや赤み、出血を伴う場合もあれば、ほとんど症状を示さないケースもあります。
悪性度が高いものは急速に大きくなったり、周囲組織への浸潤や転移を起こしやすく、命に関わる重篤な状況に陥ることがあります。
グレード分類(Patnaik分類)
一般的にはPatnaik(パトナイク)分類でグレードⅠ~Ⅲに評価されます。
- グレードⅠ(低悪性度):局所的にとどまり、転移のリスクが低い。
- グレードⅡ(中間悪性度):腫瘍細胞がやや悪性化しており、再発や転移の可能性がある。
- グレードⅢ(高悪性度):急速に増殖・転移しやすく、治療が難しい場合が多い。
このグレードによって治療方針や予後が大きく変わります。
最近ではKi-67などのマーカーを用いたより詳細な病理検査も行われます。
2. 犬の肥満細胞腫治療における現代医療の選択肢

犬の肥満細胞腫を治療する際には、外科手術・放射線療法・化学療法(抗がん剤)・分子標的薬・免疫療法などが選択肢として考えられます。
以下では、それぞれの治療法と特徴を解説します。
2-1. 外科手術
最も基本的かつ効果的な治療は腫瘍の外科的切除です。
腫瘍周囲の十分な正常組織を含めて広く切除する(広範切除)ことで、再発リスクを下げることができます。
グレードⅠ~Ⅱの肥満細胞腫であれば、外科的に完全切除できるケースが多く、予後も比較的良好です。
しかし、部位によっては切除が困難な場合や、腫瘍が大きすぎる場合、または外科手術後に再発するケースもあるため、その場合は他の治療法と併用・選択を検討します。
2-2. 放射線療法
外科手術で腫瘍を取り切れなかった場合の補助療法として、あるいは手術が難しい部位の腫瘍に対して、放射線療法が使用されることがあります。
局所的に腫瘍を縮小させる効果が期待できますが、照射回数や照射範囲、必要な施設・専門知識も含め、高度医療センターや大学病院などで行われるケースが多いです。
2-3. 化学療法(抗がん剤)
化学療法は、がん細胞の増殖を抑制するために使われる伝統的な治療法です。
- ビンブラスチン
- ロムスチン(CCNU)
- ステロイド剤(プレドニゾロン)
などがよく使われます。
これらは比較的コストを抑えられ、多くの動物病院で実施可能ですが、骨髄抑制や消化器症状などの副作用も見られるため、副作用管理が重要です。
2-4. 分子標的薬:トセラニブ(パラディア)
近年、特に注目を集めているのが分子標的薬です。なかでも**トセラニブ(商品名:パラディア)**は、犬の肥満細胞腫に対して米国FDAによって承認された初の分子標的薬として有名です。
- マルチターゲット型チロシンキナーゼ阻害剤で、KITタンパクやPDGFR、VEGFRなど複数の受容体をブロックし、腫瘍の増殖や血管新生を抑制します。
- 経口投与が可能であり、従来の抗がん剤と併用・単独使用のいずれも選択肢となります。
- 副作用としては、下痢・嘔吐・食欲不振、好中球減少、皮膚障害などが報告されています。重篤な場合には消化管穿孔や血栓塞栓症のリスクもあるため、定期的な血液検査や腫瘍の状態チェックが必須です。
また、KIT遺伝子変異を持つ肥満細胞腫には特に効果が期待できるとされており、再発リスクが高いケースや手術が困難な部位の肥満細胞腫でも使用されることがあります。
2-5. 免疫療法
犬の免疫システムを活性化させ、がん細胞を攻撃する目的で開発・応用が進んでいるのが免疫療法です。
- 免疫チェックポイント阻害剤
- 樹状細胞ワクチン
などが研究され、動物病院によっては臨床応用が開始されています。
しかし、まだ研究段階の面が多く、標準的治療とは言えません。今後、さらに普及が進む可能性があります。
3. 肥満細胞腫の再発リスクと予防について

肥満細胞腫は、グレードや部位、初期治療の適切性などによって再発リスクが変わります。
外科手術後に再発が多い場合や、初期段階ですでに転移している場合には、追加の化学療法や分子標的薬などを併用することで予防的に対応します。
- 定期検診:術後、数か月~半年ごとに腫瘍専門医やかかりつけ獣医師による検診を受け、再発の有無を確認することが重要です。
- 血液検査や画像診断(X線、エコー):転移や再発を早期に発見するための手段となります。
- 生活習慣の見直し:食事や運動習慣、ストレス管理などにより、免疫力を維持することが大切です。
4. 漢方的な考え方が注目される理由

近年、犬のがん治療においても東洋医学や漢方薬による体質改善が注目されています。
手術や抗がん剤による治療は、どうしても犬の体に大きな負担をかける場合があります。
その際、漢方薬の補助的アプローチによって体力や免疫力をサポートし、副作用を和らげる効果が期待されるのです。
4-1. 体質を整える「補助療法」としての漢方
漢方医学では、病気の原因を単に「細菌やウイルス、がん細胞」のみと捉えるのではなく、体全体のバランスの乱れが病気の発症に関与すると考えます。
犬の肥満細胞腫であっても、免疫力の低下や血流の滞り、消化機能の不調がベースにあると捉え、これを漢方薬で調整することで、より快適に治療を継続できるようにサポートします。
4-2. 気血水・陰陽五行説・土王説の概要
- 気血水:身体のエネルギー(気)、血液(血)、体液(津液)などのバランスが重要。
- 陰陽五行説:陰と陽、木・火・土・金・水の要素が関わり合い、人や動物の体質や病態を総合的に捉える。
- 土王説:脾(消化器系)が全身の健康を左右するとされ、胃腸機能が整うことで全身の免疫や栄養状態も向上すると考えられる。
肥満細胞腫の治療でも、脾=消化器系を中心に犬の身体バランスを調え、免疫力や栄養面をサポートすることが、治療効果の底上げにつながるとされています。
5. 犬の肥満細胞腫に使われる主な漢方薬

ここでは、犬の肥満細胞腫治療の補助として比較的よく用いられる漢方薬をいくつか紹介します。
いずれも専門の獣医師や漢方薬の知識を持った薬剤師の指導のもとで使用することが大切です。
5-1. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 主な効果:体力増強、免疫力サポート、胃腸機能の強化
- 構成生薬:黄耆(おうぎ)、人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)、柴胡(さいこ)、升麻(しょうま)など
- 適応シーン:手術後や抗がん剤治療中などで体力が落ちている犬に対して。シニア犬や虚弱体質の子にも用いられる。
- 注意点:稀に消化器症状を起こす場合があるため、投与後の様子を観察しながら量を調整する。
5-2. 四物湯(しもつとう)・当帰飲子(とうきいんし)
- 四物湯
- 血流を改善し、皮膚や被毛への栄養を行き渡らせる目的で用いられる。
- 「血虚」(血が不足している状態)を補い、乾燥を和らげるとされる。
- 当帰飲子
- 痩せ型で皮膚が乾燥している犬や、アレルギー症状を抱えている場合に使用されることが多い。
- 慢性的な皮膚トラブルやかゆみを緩和するとされる。
5-3. 六君子湯・四君子湯
- 六君子湯
- 胃腸を整えながら、虚弱な体質を補強する。
- 消化不良や食欲不振、嘔吐・下痢のある犬に対して補助的に使われることがある。
- 四君子湯
- 「脾気虚」に対して効果があるとされる。
- 胃腸機能が弱く、エネルギー不足を感じる場合に。
5-4. 温清飲(うんせいいん)
- 温清飲の特徴:当帰や芍薬、地黄などの生薬を含み、血液循環を改善しながら、熱や炎症を和らげる働きがある。
- 適応シーン:皮膚に乾燥や慢性的な炎症が続いている犬に対して。
- 注意点:黄連・黄芩・黄柏などの「清熱薬」が含まれるため、体質に合わない場合には下痢や嘔吐などを起こすことがある。
6. 漢方薬と現代医療の相乗効果:使い方と注意点

漢方薬は魔法の薬ではなく、あくまで補助療法として考えることが重要です。
主治療としては、外科手術や分子標的薬、化学療法が中心となり、それをサポートする形で体質改善や副作用軽減に役立つのが漢方薬の特長です。
6-1. 漢方薬のメリットと考慮すべきリスク
メリット
- 体質全体を整えることで、再発リスクや副作用を軽減する可能性がある。
- 長期使用が比較的容易で、依存性が少ない。
- 個々の症状や体質に応じて細かくカスタマイズできる。
リスク
- 使用する漢方薬の種類や分量が合わないと、消化器トラブルやアレルギー反応を起こす可能性がある。
- 他の西洋薬との相互作用が懸念される場合がある(ステロイド剤や免疫抑制剤との併用など)。
- 効果を実感するまでに時間がかかることが多く、即効性を期待しすぎると失望するケースがある。
6-2. 獣医師や漢方の専門家との連携
漢方薬を使用する際は、獣医師や漢方薬の専門家と密に連携を取りましょう。
人間用の漢方薬をそのまま自己判断で与えるのは、大変危険です。
犬の体重・体質・病状に合わせて、適切な処方と用量を判断してもらうことが大切です。
- 定期的な検診:漢方薬を開始したら、血液検査や腫瘍の状態チェックを行い、副作用や効果の有無を確認しながら調整していく。
- 複数の治療が並行する場合:現代医療の治療スケジュール(抗がん剤の投与日・検査日など)との兼ね合いを考慮し、漢方薬の投与タイミングや種類を変えることも必要。
7. 腸活の重要性と肥満細胞腫:土王説とリーキガット症候群
東洋医学の土王説によれば、**脾(消化器系)**が中心となって全身のエネルギーや栄養をコントロールしていると考えられます。
犬の肥満細胞腫治療においても、消化器の機能を整えることが健康維持・病気回復のカギとなる場合が多いのです。
7-1. 脾=消化器系を中心とした「土王説」とは
- **五行説の中の「土」**に該当するのが脾・胃(消化器系)。
- 食物から栄養を取り込み、全身へエネルギーを運ぶ役割がある。
- 脾が弱ると、体全体の気血が不足しやすく、免疫力低下や皮膚トラブルなどにつながるとされる。
7-2. 腸内環境の改善とがんの関係
近年、リーキガット症候群(腸漏れ)が注目を集めています。
腸の粘膜バリアが弱ることで有害物質や未消化の栄養素が体内に入り込み、慢性的な炎症や免疫異常を引き起こす可能性があります。
犬のがん(肥満細胞腫を含む)においても、腸内環境の悪化が全身の健康に悪影響を及ぼすとの見解が増えてきています。
7-3. プロバイオティクス・プレバイオティクスの活用
- プロバイオティクス:有用菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)を直接与えることで、腸内フローラを改善する。
- プレバイオティクス:有用菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを与え、腸内フローラを育てる。
- バイオジェニックス:有用菌が作る代謝産物(短鎖脂肪酸など)を活用し、腸管や全身の免疫を改善する考え方。
これらのアプローチは、肥満細胞腫を含む各種疾患へのサポート療法として取り入れられるケースが増えています。
8. 食事療法と薬膳的思考:愛犬の健康を守るために

食事は、犬の健康管理において極めて重要です。がん治療中の犬においても、栄養バランスや消化吸収の良さが回復を左右します。
さらに、漢方的な「薬膳思考」を取り入れることで、より効果的に体調をサポートすることが可能です。
8-1. 薬膳的思考による食材選びのポイント
- 食物繊維を豊富に:腸内環境を整えるため、野菜や海藻、さつまいもなどがおすすめ。
- 発酵食品:味噌や納豆、ヨーグルト(犬に合うものを選ぶ)などは、消化を助け腸内菌叢を整える。
- たんぱく源:良質なたんぱく質を適切に与え、筋力と免疫力をサポート。鶏肉や魚など脂質の少ないものが好ましい。
- 温性・平性の食材:犬の体を冷やしすぎず、エネルギーを補う食材をメインに。逆に、体を極端に冷やす性質を持つ食材(きゅうりやトマトなど)は控えめに。
8-2. 一物全体・身土不二のアプローチ
- 一物全体:食材は可能な限り丸ごと使うことで、栄養バランスを崩さず摂取できるという考え方。
- 身土不二:犬が暮らす地域や季節に合った食材を選び、自然のリズムと調和させることで、体への負担を軽減する。
8-3. 実際の食事例:味噌汁や野菜スープの活用
- 味噌汁:塩分に注意しながら、薄味の味噌汁をスープとして与えると、発酵食品と野菜の栄養を同時に摂取できる。
- 野菜スープ:キャベツやにんじん、大根などを柔らかく煮込み、食べやすくしてあげる。
- 骨付き肉の煮込み:犬用に鶏の骨付き肉を圧力鍋などで煮込み、骨まで柔らかくして与えることで、一物全体の概念に近づける。
ただし、食事制限の必要がある犬(腎臓病や心臓病などが併発している場合)もいますので、必ず獣医師や専門家の指示に従ってください。
9. 治療方針の立て方:弁証論治とカスタマイズ
東洋医学では、**「弁証論治」**という診断・治療の考え方を用います。
これは、個々の犬が抱える症状や体質を見極め、総合的に判断して治療方針を決定する手法です。
9-1. 弁証論治とは何か
- 弁証(病態の分析):気血水や陰陽のバランス、五臓六腑の状態、舌や脈の状態など、多角的に犬の体調を評価。
- 論治(治療法の決定):得られた情報をもとに、漢方薬の選択、針灸やマッサージなどの東洋医学的アプローチを組み合わせる。
9-2. 個々の犬に合わせた治療計画
犬の肥満細胞腫は、腫瘍の悪性度や部位、進行度だけでなく、犬の年齢や体格、食習慣など多くの要因を考慮して最適な治療を組み立てる必要があります。
- 西洋医学的な検査結果(病理、血液検査、画像診断)を前提に、最適な手術や薬物療法を選択。
- 東洋医学的な体質診断を並行して行い、補助的に使用する漢方薬を検討。
- 食事や生活環境に至るまで総合的に見直すことで、犬のQOL(生活の質)を向上させる。
10. まとめ:最適な治療とケアのために
- 現代医療の主軸:外科手術、放射線療法、化学療法、分子標的薬(トセラニブなど)が中心となる。
- 漢方薬の補助:体質を整え、副作用を軽減し、犬の体力・免疫力をサポートする。
- 腸活や薬膳思考:土王説に基づいた胃腸機能の強化や、一物全体・身土不二の考え方で食材を選ぶ。
- 継続的なモニタリング:治療開始後も定期検診と血液検査が欠かせない。
- 専門家との連携:複数の治療法を上手に組み合わせるには、獣医師や漢方薬に詳しい薬剤師・中医薬膳師のサポートが必須。
愛犬が肥満細胞腫と診断されると、飼い主さんの不安は大きなものです。
しかし、現代医学と東洋医学を上手に融合させることで、腫瘍自体をコントロールしつつ、犬の体全体の状態を整え、治療の成功率や犬のQOLを向上させることが期待できます。
11. よくある質問(FAQ)
Q1. 漢方薬だけで肥満細胞腫を治すことはできますか?
A1. 漢方薬は補助療法としての位置づけが基本で、外科手術や分子標的薬、化学療法が主軸となります。漢方薬だけに頼るのではなく、現代医療と併用することで相乗効果を目指すことが大切です。
Q2. トセラニブ(パラディア)の副作用が怖いのですが、漢方薬で軽減できるのでしょうか?
A2. 個体差はありますが、補中益気湯などによって体力を補強し、胃腸機能を整えることで消化器症状の副作用が軽くなる可能性があります。ただし、必ず獣医師と相談の上で使用することが前提です。
Q3. どのくらいの頻度で漢方薬を与える必要がありますか?
A3. 処方される漢方薬や犬の症状にもよりますが、1日2~3回に分けて与えるケースが多いです。粉末をフードに混ぜたり、煎じて飲ませるなど、投与方法は獣医師や漢方薬剤師の指示に従ってください。
Q4. 漢方薬は副作用がないと聞きますが、本当ですか?
A4. 一般的な抗がん剤に比べれば副作用は少ない傾向にありますが、全く無いわけではありません。犬によっては下痢や嘔吐、アレルギー反応などを起こす場合があります。自己判断での使用は禁物です。
Q5. 腸活に良いと聞いてヨーグルトをたくさん与えても大丈夫ですか?
A5. ヨーグルトは腸活に良い食品ですが、犬によっては乳糖不耐症やアレルギーがある場合があります。少量から試し、体調を見ながら調整しましょう。与え過ぎはかえって下痢を引き起こすこともあります。
参考文献と情報サイト
- Zoetis公式サイト「PALLADIA(パラディア)」
- 獣医腫瘍科関連文献(大学病院等)
- 東洋医学・漢方薬に関する専門書
- 各種ペット漢方薬の臨床報告(補中益気湯・四物湯など)
最後に

犬の肥満細胞腫治療には様々な選択肢が存在します。
外科手術・放射線・化学療法・分子標的薬などの現代医療を軸としながら、漢方薬や食事療法、腸活といった東洋医学や自然療法の考え方を上手に取り入れることで、犬の身体にかかる負担を軽減し、より良い治療成績を目指すことが可能です。
飼い主さんが知識を深め、獣医師や専門家としっかり相談することで、愛犬にとって最適な治療とケアを見つけてあげましょう。
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