調剤薬局や病院で支払う料金は、明細書をもらっても、あまりピンとこないと思います。
今回は、調剤薬局における調剤報酬の代表である「1包化加算」「調剤料」「重複投薬・相互作用等防止加算」について、少し掘り下げて説明したいと思います。
スポンサーリンク1包化加算とはどんな意味なの?

「1包化加算」とは、1包化すること(1包化:飲み忘れ防止などのために1回分ずつ袋にまとめること)に対する手数料です。

1包化は無料サービスではありません。
※1包化するかしないかは患者さん本人の意思で変更できます。
- 処方日数が42日分以下の場合:1週間分が340円
- 処方日数が43日分以上の場合:一律2400円

次の表の「点」とは、1点が10円で換算されます!
例)10点⇒100円


例えば、56日分の薬を1包化すると、2400円手数料が発生し、それに対する患者負担割合(1割~3割)が支払いに加算されます。

お薬を飲みやすく1回分ずつまとめてもらうのには、結構な手数料がかかっているんだね。

調剤料とはどのようなものなの?
「調剤料」とは、「薬を調剤する技術」に対して算定される手数料です。薬の種類や処方日数によって異なります。
- 7日分以下 :280円
- 8~14日分 :550円
- 15~21日分 :640円
- 22~30日分 :770円
- 31日分以上 :860円
『調剤技術料』には、「調剤基本料」「調剤料」があります。
調剤基本料とは「薬局で処方せんに基づく調剤をおこなうこと」に対して算定される、いわば基本料金です。薬局の規模や施設基準により点数が異なります。
調剤基本料と呼ばれる手数料は、各々の調剤薬局に定められており、全く同じ薬をもらっても、薬局間で支払額が異なることがあります。
細かい規定があるので複雑ですが、一般的には大きな総合病院の前の薬局の方が調剤基本料は低い(安い)ことが多いです。
また、薬剤そのものの値段を「薬価」と言いますが、これば全国共通であり、どこの薬局でも同じです。支払額の違いは、基本調剤料の違いや、加算が付くかどうかで変化します。
同じ薬を同じ数だけもらうのにお薬代が異なることがあるの⁉

調剤薬局でのお薬代は、お薬の飲み方が変わるだけで支払額が変わってしまうのです…。
なぜ、その様なことになるのか解説しますね!

例1と例2の薬剤は、全く同じものと仮定してシミュレーションするんだね!
例1)A錠 1回1錠 1日1回朝食後 56日分 ➡A錠が56錠
B錠 1回1錠 1日1回夕食後 56日分 ➡B錠が56錠
例2)A錠 1回1錠 1日1回朝食後 56日分 ➡A錠が56錠
B錠 1回1錠 1日1回朝食後 56日分 ➡B錠が56錠

例1の場合は、「朝食後」と「夕食後」でA錠・B錠の飲み方が違うので、A錠・B錠各々に対して調剤料(手数料の様なもの)が発生します。
調剤料は、860円×2(通り)=1720円になります。実際の支払いは、1720円に対する自己負担割合分(1割~3割)になります。理由は飲み方が朝食後と夕食後の2通りになる為です。

例2の場合は、飲み方はA錠もB錠も「朝食後のみ」の1通りなので、調剤料はも1通り分だけしか発生しません。
例2の場合は、A錠もB錠も朝食後のみの1通りなので、調剤料は860円×1(通り)=860円の自己負担割合分(1割~3割)になるので860円に対する自己負担分のみで済みます。

例1も例2も、A・B錠を各56錠ずつ、お薬をお渡しすることになるのですが、飲み方が違うだけで支払額に差が出てしまうのです。
基本的には、調剤料は飲み方をまとめた方が支払いが少なくなります。
※ただし、飲み方の通り数が3通り以上の場合は変わりません。(調剤料は3通り分までしか算定できないという規則があるため)
重複投薬・相互作用等防止加算とは

残薬調節などをする際にかかる手数料
飲み残しなどで薬が余っている場合や、この薬は飲みたくない・欲しくないなどの理由で、薬局でその旨を話され処方内容を変更すると、「重複・相互作用防止加算」という名目で手数料が300円発生します。その自己負担割合分(1割~3割)が支払額に加算されます。
きちんと残りの残薬数を把握できている場合は、病院でその旨を医師に伝えれば、医師はその場で処方日数を調節しますので、費用は一切かかりません。
また、薬局は残薬調節する際はその旨を処方発行した医師に必ず「疑義照会」する義務がある為、その連絡の際に、時間もかかり待ち時間も多くいただくことになります。
疑義照会とは

「疑義照会」とは、医師の発行した処方せんの記載処方意図を明らかにし「重複投薬」「薬剤名」「用法」「用量」「薬物相互作用による禁忌」「投与日数」等の記載不備を発見し、安全な医療を提供することです。
疑問点や不明な点があるときは、記載内容が適切かどうか薬剤師が確認し、処方箋の作成者(処方医)に問い合わせて確かめる必要があります。
簡単に言うと、『薬剤師が処方箋の内容について、発行した医師に問い合わせること』です。
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他にも知らないと損することはいっぱいあるよね!

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